ダイエットは1ヶ月で痩せない?減量初月に体重が減ったのは勘違い

ダイエット方法・理論

正しいダイエットを始めると、多くの場合は初月に大幅な体重減少が期待できます。しかし、実際には初月に思ったほどの結果が得られないことがあります。なぜなのでしょうか?この記事では、ダイエット初月の体重推移について、理由とその対処法について考察します。

ダイエットの初期段階での体重変化

多くの場合、ダイエットを始めると初期、具体的には3日~1週間程度で体重が大きく減少します。僕もこれまでに何十回とダイエット、減量を行ってきましたがほぼすべての減量初期にこのような大幅な体重の減少がありました。一見するととても順調なダイエットのスタートに思えるかもしれませんが、このような体重の変動は大きく3つの要素が関係しており、”痩せた”状態ではない事がほとんどです。

多くの方はこのような減量初期の体重減少を”痩せた”と勘違いしてしまい、ダイエットを終わらせてしまったり食べる量をもとに戻してしまうなどで無意味な体重増減を繰り返しています。

便秘の解消や内容物の変化

ダイエットを開始すると多くの人はより健康的で低カロリーな食事を意識します。これによって今まで便秘だったものが解消されたり、食べすぎて胃や腸にたまっていた内容物の総量が減る事があります。当然ですがこれらは体脂肪では無いものの、体重の増減には影響します。ダイエット開始後、2~3日で体重が大きく減った場合このような体の内容物の変化に注意が必要です。重さにすると500g~1kgほどの体重変化が発生する場合があります。

水分・塩分の変化

ダイエットを始めてから3日~1週間で体重が変化した場合の多くの原因は水と塩分の変化、つまるところ”むくみ”である場合がほとんどです。むくみが抜ける事を”痩せた”と考える事もできるのですがお腹についた肉は減っておらず、むくみは全身にかけて全体的に抜けるものになります。

特に手や顔、足など胴体から離れた体の部位はむくみが抜けた際にすっきりしやすく、逆に言うとむくんだときにわかりやすい部位でもあります。もし顔や手足のむくみをとりたいというのが狙いであれば1週間もかからずに対処する事ができるわけですが、このダイエット初期の体重減を脂肪の減少と思ってしまうとリバウンドにつながるため注意が必要です。

実際の体重変化としてはどのくらいの影響があるかについてお話しすると、塩分は1gにつき水100mlを体に溜めこむ性質があります。つまりいつもよりも1gの塩分を多くとった場合、翌朝には100g体重が増えている可能性があるということです(たいていの場合、塩を多く摂取すると無意識に水分を多くとっています)

ラーメン1杯に含まれる塩分は6~8gと言われていますので、例えば普段食パンを食べていた食事をラーメンに変えるだけで翌日には600~800gの体重増加が起こります。これは体脂肪がついたのではなく、塩分と水分を体に溜めこんだむくみであると言えます。もちろん毎日ラーメンを食べ続ければカロリーオーバーによる脂肪もつきます。

ラーメンだけでなく塩分が多い食べ物は注意なのですが、例えばキムチなどの漬物は100gあたりで1g近い塩分を含んでいたりします。特に寝る前最後の食事でキムチを100g食べると1kgほど体重が増える可能性があります。キムチ100gは食べてみるとわかりますが、小皿に一盛り程度であり簡単に食べれる量です。このように意図せずに塩分を溜めこんでいる場合があります。

むくみについてはとても一般的で「むくみを聞いたことがない」という方はいないと思います。しかしながらダイエットになると”体重の増減”を意識しすぎてしまい本当に痩せたかどうかが疎かになってしまうケースも多いのが事実です。

3日~1週間程度の短期間に発生した体重の増減はほぼむくみであると考えたほうがよく、ダイエット的には”まだ何も変わっていない”という意識をすることが重要です。

糖質量の変化

昨今多くの方が”糖質制限”という言葉を耳にし、ダイエットを始める際に糖質を制限するケースが多くなっています。ダイエットで重要なのはカロリーを減らす事なので、糖質制限によってカロリーを減らすこと自体は間違った方法ではないです。ただし、糖質制限をした場合は減量初期に体重が減少しやすく注意が必要です。

人間の体は何か運動が必要な際にすぐにエネルギーを取り出せるように”糖質”を肝臓と筋肉に貯蔵する仕組みになっています。肝臓と筋肉に貯蔵された糖質はすぐに取り出す事ができるので、すぐに使ったり、補充できるよう体が制御しています。逆にいうと、体脂肪はすぐにエネルギーとして取り出せないエネルギーとして蓄えられます。

糖質は体内でグリコーゲンという物質に変換され肝臓に約100g、筋肉に約300gほど貯蔵され体全体で400gほどが溜めこまれた状態になります。もちろんその人の体格や男性/女性によっても貯蔵量は変わります。筋肉量が多い人はもっとたくさんのグリコーゲンを筋肉に溜めこむ事ができるわけです。糖質制限によって体に必要な糖質が足りない状態が発生するとこの貯蔵されたグリコーゲンが消費されるため体重が簡単に減少します。

また、糖質は1gあたり3gの水分と紐づいて体に蓄えられる事が分かっています。つまり糖質を制限して数日するとざっくりですが、1~3kgぐらいの体重減少はあっという間に起きる事があるわけです。前述した塩分とも合わせて多い人だと3日で5kgくらいの体重減少が起きる場合があります。しかしながらこれはあくまで”体重が減少した”のであって、”体脂肪が減った”という事ではありません。

体脂肪が落ちるまでの適切な期間

ここまではダイエット初期に体重が減少する理由についてをお話しましたが、実際に体脂肪が減るまでにはどのくらいの期間が必要か考えてみたいと思います。

体脂肪は水分を含めて1kgを減らすのに7200kcalの消費が必要と言われています。つまり7200kcalを燃やせば1kg体重が落ちるわけです。例えばカロリーを1日500kcal制限した場合を考えてみると、7200÷500=14.4日となります。

つまり毎日500kcal制限を2週間継続して1kgの体脂肪が減るということです。この体脂肪の減少によって減った体重は当然ですがすぐには戻らない、戻りにくい体重なので先ほどのむくみや糖質と違って数日では簡単に戻ることはありません(当然ですが過食を1週間とか続けてしまうともとに戻ってしまいます)

どのくらいのカロリーセーブをしたか、何日くらい継続したかによって減っているべき体重は違ってきますので上記のような計算を行っておおよそどのくらい体脂肪が落ちていそうか判断するのが良いでしょう。

1か月目に体重が全く減っていない場合

ここまではダイエット初期に体重が大幅にへる場合のお話をしましたが、ダイエット初期に全く体重が減らない方もいると思います。このような方は次のような点で、現在のダイエット方法を見直してみましょう。

・塩分のとりすぎ
カロリー制限が上手くできていても、塩分が普段より多い食事になっていると体重が変化しない事があります

・カロリーの摂りすぎ
ダイエットしているつもりでも、実はカロリーがあまり制限できていない人はよく見かけます。自分が食べた食事のカロリーがどのくらいなのか、一度計算してみましょう

ダイエットに必要な期間と息抜き

ダイエットの目的が体脂肪の減少である場合は少なくとも2週間ほどの期間は継続をしたほうが望ましいです。2週間で体脂肪1kgを減らせるかどうか、1ヶ月にすると2kgぐらいがちょうどよい減量ペースになります。(体重100kgを超えるような人はもう少しハイペースでも大丈夫です)

体脂肪1kgを2週間かけて減らした場合、塩分、水分、糖質などが抜ける効果もあって実際の体重変化としては5kgぐらい減っていると思います。これでも十分に痩せたと感じられれば良いのですが実際にお腹の肉が落ちる、落ちたなと感じるまでにはおおよそ2~3kgは体脂肪を落としたいです。

2か月ほどの期間をかけて体脂肪を2~3㎏落とすまで継続するのがオススメです。この場合、実際の体重変化としては5~6㎏になると思いますが体重変化よりもお腹の肉をつまんで、減っているかを確認した方が望ましいです。

2か月ほどダイエットを継続しようと思うとなかなか精神的にもつらく継続ができない人もいると思います。そういった場合はチートデイとして週に1回だけ食べても良い日を作るようにしましょう。チートデイで代謝が上がって痩せやすくなるという話もありますが、実際にはそこまで大きな変化はなくメンタルを維持してダイエットを継続するためにチートデイを入れている人がほとんどです。

適度に息抜きをしながら長期的に継続する事がダイエットの一番の近道になります。

結論

ダイエットを始めた初月は大きな体重減少が起こりがちですが、それに満足してしまうのは危険です。焦らずに継続し、上記のポイントに留意することで、健康的で持続可能な減量が可能です。一時的な体重減少にとらわれず、長期的な目標に向かって継続することを意識しましょう!