懸垂がうまくできなくて悩んでるなら
懸垂(チンニング)は背中のトレーニングとしてはとても優秀です。もし1種目しかやる時間がなかったとしたら間違いなく懸垂だけをやる、それくらい効果があり重要な種目だと僕は考えています。しかし、懸垂自体はなかなか初心者の人がパッとやれる種目でもなく、1回もできないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では懸垂のメリットや最初の1回をやれるようになるまでのステップ、懸垂ができるようになってからのトレーニング方法などを解説します。
懸垂(チンニング)をやると体はどう変わる?
懸垂では広背筋、大円筋、僧帽筋、上腕二頭筋、前腕など非常に多くの筋肉が使われます。
背中全体を使う種目とも言えますが、特に広背筋と大円筋が強く鍛えられ広い背中を作ることができます。背中の広がりができると相対的にウエストラインが細く見えるようになったり、小顔に見えるようになり体全体のプロポーションが良くなります。
ラットプルダウンなどの懸垂に似た種目よりも動作をする際に不安定で支える筋肉が必要とされるためよりたくさんの筋繊維が動員される種目です。その分そもそも1回やることが難しかったり、効かせ方が難しかったりします。
ボディメイクでは欠かせない必須級の筋トレなのでできない方もできる方もトレーニングメニューに積極的に組み込みましょう
懸垂1回ができるようになるまでのステップ
初心者の方や全身の筋力がまだ少ない方、あるいは体重が極端に多い方などは1回も懸垂ができないという方も多いと思います。そんな方でも続けていれば必ずできるようになります。
まずは1回、自力で懸垂ができるようになることを目指しましょう。
1回もできない人は以下のようなステップで進めていくと1回できるようになります。
まずは負荷の低い斜め懸垂
- 胸の高さ位のバーや手すりを肩幅より少し広いくらいの幅で両手で掴みます。
- 足を地面につけた状態で体を斜めにします
- この状態で懸垂のように体をバーに引き寄せます
足が地面についている分、負荷が非常に低い状態となります。バーを体に引き寄せる際は胸とバーをつけるようにすることが重要です。筋力が弱い方でもほとんどの方は出来る種目だと思います。
まずはこの斜め懸垂を回数こなして筋肉痛が背中や脇の下後方あたりにくるまで練習しましょう。
ジムに通っている人はスミスマシン、自宅トレーニングの方は公園の鉄棒などで実施すると良いです。
ジャンプ懸垂(ネガティブチンニング)
斜め懸垂がある程度できる方、負荷が弱いなと感じるようになった方はジャンプ懸垂に挑戦しましょう。
ジャンプ懸垂は通常の懸垂のようにバーを両手で掴みますが、初めにジャンプして上まで上がり、ゆっくりと下ろす懸垂です。ネガティブオンリーチンニングという言い方をしたりもします。
背中の筋肉は引き上げる力よりも下ろしていくときの方が強い力を発揮できるので懸垂が1回もできない方でもジャンプで上まで上がって、ゆっくり下ろすだけならできるという人が多いです。
このトレーニングを繰り返していくと懸垂1回に大きく近づくことができます。
また、中上級者の方でもより強い負荷を与える際にこの懸垂を行うことも効果的です。
僕も背中のトレーニングの2回に1回はこの懸垂を取り入れています。
チューブを使った懸垂
チューブバンドを足にかけて補助をつけた状態で懸垂を行います。バンドアシスト懸垂ともいいます。バンドをかける位置はスネのあたり、もしくは足の裏にかけるかどちらかになりますが懸垂は体がCの字になるようなフォームが理想のためスネのあたりにチューブバンドをかけて行う方がオススメです。バンドの長さや体格によっても違うため実際にやってみてやりやすい方でOKです。
チューブを使った補助で懸垂ができるようになれば自力での懸垂はほぼ目の前まで来ています。
逆手懸垂
チューブ懸垂がある程度できるようになったら逆手での懸垂に挑戦しましょう。順手での懸垂(手のひら側が前をむく状態)は背中の筋肉に最も刺激が入るので順手懸垂の方が良いのですが、筋力が弱いうちはなかなか難しい種目です。
逆手(手のひら側がこちら側を向く)での懸垂の場合、上腕二頭筋の力をかなり使うことができるため順手懸垂よりも難易度が低く1回もできない方には逆手の方がチャンレンジしやすい懸垂といえます。上腕二頭筋にも強い負荷がかかりますが、もちろん背中にも効く種目なので順手ができない場合は逆手でやれるだけやってみましょう。しばらく逆手でやっていると順手でもできるようになっていくはずです。
懸垂の正しいフォームと効かせ方のコツ
懸垂に限らず背中のトレーニングはとても難しく、筋トレ3年目でようやく効かせ方がわかった!というような人も多いです。僕もまともに背中を使えていると感じたのは3〜4年目だったような気がします。
正しいフォームと効かせ方をなんとなくでもイメージできていると効かせ方を習得するまでの時間が短縮できると思います。
- 背中を丸めない、顎を引かない
- 肩甲骨を下げる意識で
- 反動をつけずにゆっくりと引く
- 最後まで引き切る
足を使ったりして反動をつけずに最後までしっかりと引き切ることがとても重要です。
綺麗なフォームの懸垂で回数を行うのはとても難しく、僕は年々懸垂ができる回数が減ってきています(笑)
最初のうちは多少汚いフォームで反動があっても良いので、徐々に綺麗にしていけるよう意識して改善していきましょう。
以下、懸垂のやり方についておすすめの解説動画をご紹介します
懸垂の最適なレップ数、セット数、頻度
懸垂は1回できるまでに時間がかかる種目ですが、できるようになったら基本的には10回3セットが望ましいです。最初のうちは5回、4セットのような低回数を高セットで組んで実施してもOKです。
15回〜20回できるようになったら後ほど紹介する加重懸垂などにシフトしていくのが良いでしょう。
トレーニング頻度としては筋肉や関節の回復を考慮して週に2日までが基本となります。
懸垂のバリエーション
懸垂には効かせたい筋肉や狙い、上達レベルによっていくつかバリエーションがあります。
いくつかそのバリエーションをご紹介します。やったことがない種目にチャレンジすると筋肉に新しい刺激が加わり、より成長を促せると思います。
ワイドチンニング
手幅を通常よりも広げる懸垂。肩や手首に負荷がかかりやすいので手首が弱かったり怪我をしやすい人は注意が必要です。広背筋、大円筋へ通常の懸垂よりも強い負荷がかかります。かなり筋力が必要な種目のため上級者向けのトレーニングです。
ナローチンニング
手幅を通常よりも狭くする懸垂。肘に負担がある種目のため、肘を痛めやすい人・故障しやすい人は注意が必要です。逆手懸垂と同様に上腕二頭筋の力を強く使える種目のため広背筋の力がまだ弱い人でもできる種目です。
パラレルグリップチンニング(ハンマーグリップチンニング)
手のひらが互いに向かい合うように懸垂バーを握って行う懸垂です。上腕二頭筋、広背筋ともにバランスよく刺激を与えることができる種目になります。この種目の良いところは肩や手首への負荷が非常に少なく関節の可動域としてとても自然に曲げることができる点です。
肩を痛めている時でもこの種目なら痛みが出ずに懸垂ができるという場合があります。
僕も以前に肩を怪我してしまった時、この懸垂だけは痛みが出ずにやることができたので治るまでこの種目だけをやっていた時期がありました。肩を痛めやすい人、通常の懸垂で痛めたことがある人にはオススメの種目です。
加重懸垂
ディッピングベルトを使ってダンベルやプレートを腰に巻き付けることで重りをぶら下げながら行う懸垂です。自分の体重だけでは物足りなくなってしまった方にオススメです。
当然負荷は非常に高いので怪我をしないよう注意する必要があります。
自宅で懸垂をするには
ジムに通っていない人はなかなか懸垂ができない環境かもしれません。近くにちょうど良い鉄棒のある公園などがあれば良いのですが、そういった環境がない方もいると思います。
懸垂マシンがAmazonなどに売っていますのでそういったものを使っても良いと思います。
大体8000円〜10000円くらいで売っているようです。突っ張り棒のようなタイプや鴨居に引っ掛けるタイプのものもありますが外れてしまったりする危険性があるのでちゃんとぶら下がれるマシンがおすすめです。
参考:↓Amazonの懸垂マシン
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まとめ
この記事では懸垂のやり方やコツ、バリエーションについてご紹介しました。
懸垂は背中トレーニングの基本で、一番大事な種目だと考えています。しっかりと効かせるコツをマスターして広い背中を手に入れましょう!