はじめに
以前、「筋トレしてるってことは、チーズとかよく食べるんですか?」と聞かれたことがあります。僕のイメージではチーズ=高脂質で筋トレとは真逆の存在というイメージだったのでこう聞かれたことに凄く驚いた記憶がある反面、一般の人の認識はチーズ=たんぱく質なのかもしれないなと感じました。
この記事では”チーズ”が筋トレに対して良い食材なのか、悪い食材なのか、様々な観点から考察したいと思います。
一般的な”チーズ”のイメージ
チーズは多くの人々に愛される食材であり、ピザやサンドイッチ、サラダなど様々な料理に使用されます。コクがありとても美味しい反面、カロリーや脂質が高くダイエット中の人々からは敬遠されがちです。色んなダイエットがありますがピザやチーズケーキを食べながらダイエットしている人はまずいないでしょう。
チーズの種類や栄養素
チーズに含まれる栄養素
一般的なチーズの100gあたりの栄養成分は以下の通りです(種類によって異なる場合があります)
- カロリー:約350kcal
- タンパク質:約25g
- 脂質:約28g
- 炭水化物:約2g
- カルシウム:約700mg
- 塩分:約1.5g
このようにチーズは糖質が非常に少なく、ほとんどのカロリーはたんぱく質と脂質で5:5くらいになっています。お米などに比べれば格段にたんぱく質が多い食材ではありますが、脂質の多さが気になります。
チーズの種類とカロリー、栄養素一覧
チーズといってもカロリーや脂質の量にはかなりの差があります。カロリーが高いものから、低いもの順でチーズの種類別に一覧を作りましたので迷った際には見てみてください。
※カロリー、栄養素は全て100gあたり
チーズの種類 | チーズのカテゴリ | カロリー | 糖質 | タンパク質 | 脂質 |
---|---|---|---|---|---|
パルメザン | ハードチーズ | 445kcal | 1.9g | 44g | 30.8g |
エメンタール | ハードチーズ | 398kcal | 1.6g | 27.3g | 33.6g |
チェダー | ハードチーズ | 390kcal | 1.4g | 25.7g | 33.8g |
ゴーダチーズ | ハードチーズ | 356kcal | 1.4g | 25.8g | 29g |
ブルーチーズ | ソフトチーズ | 326kcal | 1g | 18.8g | 29g |
エダムチーズ | セミハード | 321kcal | 1.4g | 28.9g | 25g |
クリームチーズ | ソフトチーズ | 313kcal | 2.3g | 8.2g | 33g |
プロセスチーズ | ソフト~セミハード | 313kcal | 1.3g | 22.7g | 26g |
カマンベール | ソフトチーズ | 291kcal | 0.9g | 19.1g | 24.7g |
やぎチーズ | ソフトチーズ | 280kcal | 2.7g | 20.6g | 21.7g |
マスカルポーネ | フレッシュチーズ | 273kcal | 4.3g | 4.4g | 28.2g |
モッツァレラチーズ | フレッシュチーズ | 269kcal | 4.2g | 18.4g | 19.9g |
チーズスプレッド | ソフトチーズ | 284kcal | 0.6g | 15.9g | 25.7g |
リコッタチーズ | フレッシュチーズ | 159kcal | 6.7g | 7.1g | 11.5g |
カッテージチーズ | フレッシュチーズ | 99kcal | 1.9g | 13.3g | 4.5g |
1. ハードチーズ (Hard Cheese)
- テクスチャー: 堅く、しっかりとしたテクスチャー。
- 熟成: 長期間熟成される。
- 特徴: 長期間の熟成により、深い風味や塩味が強くなることが多い。
2. ソフトチーズ (Soft Cheese)
- テクスチャー: クリーミーで柔らかい。
- 熟成: 短期間または全く熟成されない。
- 特徴: 白いカビで覆われることが多く、独特の風味がある。
3. セミハードチーズ (Semi-Hard Cheese)
- テクスチャー: 中程度の固さ。
- 熟成: 中期間熟成される。
- 特徴: ハードチーズとソフトチーズの中間のテクスチャー。多様な風味が楽しめる。
4. フレッシュチーズ (Fresh Cheese)
- テクスチャー: とても柔らかく、しっかりとした形を持たないことが多い。
- 熟成: 熟成されない。
- 特徴: 新鮮な乳の風味が感じられ、塩味が少ない。
チーズの中でもカロリーが少ないもの、高いものがある
このようにチーズといってもカロリーがが高いものと低いものがあり、一番高いパルメザンチーズと一番低いカッテージチーズでは4倍ものカロリー差があります。
比較的少ないチーズとしては、カッテージチーズやリコッタチーズがあり、これらは約100~150kcal/100g程度でダイエットでも十分活用できる食材です。
一方で100gあたり300kcalを超えるようなチーズ(といっても大半のチーズが該当してしまいます)はダイエットにはあまり利用できず、少量だけであれば使えるかなというレベルです。
ダイエットや減量を意識されている場合は「リコッタチーズ」と「カッテージチーズ」はセーフというような意識をしておくと良いでしょう。
チーズに含まれる塩分量、その他の栄養素
チーズは保存のために塩を使用して製造されることが多いため、塩分量が高くなることが一般的です。一般的なチーズの100gあたりの塩分量は約1.5gです。しかし、低塩分のチーズも市販されており、健康を意識する方々に選ばれています。
チーズはタンパク質、カルシウム、ビタミンB群などの栄養素が豊富に含まれています。特に、カゼインというタンパク質は筋肉の成長や回復をサポートするための重要な成分です。また、脂質もエネルギー源として利用されるだけでなく、ホルモンの生成や細胞の構造にも関与します。
僕のオススメのチーズ2種
僕の場合は減量中にカッテージチーズをよく食べていた時期がありました。
市販されているもので比較的買いやすいのが雪印のカッテージチーズうらごしタイプです。
100gあたり 114kcal
炭水化物:0~2.8g
脂質:2.8~5.9g
たんぱく質:17.6g
こうしてみるとかなり栄養素としては優れて見えますよね。
このカッテージチーズに「ネスカフェ ふわラテ ハーフ&ハーフ」をかけて食べると
低カロリーなティラミス風のデザートになります。
最近はほとんど食べることもなくなりましたが、筋トレを初めてから2~3年目くらいの時期によく食べていました。
うらごしタイプが無い場合は通常タイプでもいいのですが、通常タイプは少しぼそぼそとした食感なのでティラミス風デザート感はなくなってしまいます(笑)
また、リコッタチーズはあまりスーパー等で売っていないと思うのですが自分で簡単に作る事ができます。
僕はこのリコッタチーズを使ってパンケーキをよく作っていました。
低脂肪牛乳や無脂肪牛乳で作ることでかなり低カロリーなリコッタチーズになるのでとてもオススメです。
こした際に出てくる汁はトレーニーなら誰しも欲しがる「ホエイ」なので飲んだり、ほかの料理に活用できるとたんぱく質を取りこぼさずにすみますが僕はあまりいいレシピが思いつかずそのまま捨ててしまっています(笑)
良い活用方法をご存じの方がいたらSNSのDMなどで教えていただけると嬉しいです
筋トレにおけるチーズのメリットとデメリット
筋トレ×チーズのメリット
筋トレにおいてチーズは”悪”というようなイメージを持っている方も多いかもしれませんが、チーズをを摂取する場合のメリットもあります。主に以下の3点です
- 持続的なタンパク質供給:チーズに含まれるたんぱく質はカゼインが多く、カゼインは消化・吸収がゆっくりと行われるため、筋肉に長時間にわたってタンパク質を供給します。
また、一緒に含まれている脂質もたんぱく質の吸収を遅らせる効果があるため長時間たんぱく質を摂取できないような場合にはチーズが有効といえます。具体的には寝る前や、長時間食事がとれない場合などに事前にチーズを食べておくことで筋肉の合成を継続的に支援する事が可能です。 - 骨の強化:カルシウムは骨の健康をサポートし、筋トレ時の骨の負荷を軽減します。
また、カルシウムは筋肉が収縮するときに使われる栄養素のためあまりに不足すると筋収縮が十分に行えない等の可能性がでてきます。チーズを取る事でカルシウム不足は解消されるでしょう。 - 脂質の補給:チーズの脂質は主に乳脂肪ですが、この乳脂肪の約62%が飽和脂肪酸というタイプの脂肪になります。これはいわゆる”悪い脂”で、心筋梗塞になったり太ってしまったりと体にとってはあまりよくない脂質とされてきました。
しかしながら近年の研究では、飽和脂肪酸が多い乳製品を多く摂取しても、心筋梗塞などの循環器系疾患のリスクとは無関係であること、また、日本人の場合、乳製品の摂取量が多いほど循環器系疾患のリスクが下がることが示されています。
2017年の研究によれば、チーズの飽和脂肪酸は血中の総コレステロールの濃度を統計的に有意に下げる効果があることが示されました。
このような研究もこれが”正解”と言い切れないところはあるのですが乳脂肪はそこまで体に悪くないというのが近年のトレンドです。もちろんとりすぎは論外ですが、ある程度セーブしつつであれば取っても良い脂質と言えるかもしれません。
筋トレ×チーズのデメリット
- カロリーが高い
前述したとおり大半のチーズは脂質が多くカロリーが高い食材です。
過度な摂取はカロリーオーバーとなり、体脂肪の増加を招く可能性があります。減量時に取り入れる場合は量を減らして使うか、リコッタチーズなどの低カロリーなチーズを活用することが重要です。 - 脂質が多い
前述したとおり乳脂肪の脂質はそこまで悪くないかもしれない、という研究結果はでているもののLDLコレステロールの増加や心血管疾患のリスクが考えられます。
このあたりはまだまだ研究段階であるため脂質が多いチーズを大量に食べる事はいずれにしてもオススメできません。 - 乳糖不耐性の人はお腹を壊す可能性がある
クリームチーズ、カッテージチーズなどのフレッシュチーズ(ようするに水分を多く含むタイプのチーズ)では乳糖を多く含むことがあるため、乳糖不耐性の人は摂取量や種類に注意が必要です。乳糖不耐性とは、体内で乳糖(要するに牛乳の糖質)を分解する酵素「ラクターゼ」の活動が低下しているため、乳糖を適切に消化・吸収できない状態を指します。乳糖不耐性の人が乳糖を含む食品を摂取すると、腹痛や下痢などの消化器症状が現れることがあります。
分かりやすく言うと牛乳飲むとおなかを壊すという人は乳糖不耐性です。
熟成させたハードチーズ(例:パルメザン、チェダー)は乳糖がほとんど含まれていないため、乳糖不耐性の人でも安心して摂取できることが多いです。
先ほどのチーズ一覧表に書いてある”糖質”が少ないチーズであれば比較的お腹を壊しにくいので乳糖不耐性の人はこちらも参考にすると良いでしょう。
効果的にチーズを食べるべき時は
適切なカロリーのチーズを寝る前に摂取することで、夜間の筋肉の回復をサポートするカゼインの供給が期待できます。糖質が含まれていない分、血糖値が上がらず就寝前のダイエット食材としては非常に優秀です。
また、糖質が極めて少なくたんぱく質と脂質が多いという特徴から”ケトジェニックダイエット”との相性は非常に良い食材でもあります。ケトジェニックダイエット中は様々なチーズを料理に加えて罪悪感無く食事がとれる良い機会になるかもしれません。
まとめ
チーズは意外にも筋トレを行う人々にとって、多くのメリットを持つ食材です。チーズの脂質がそこまで体に悪くなさそうという点も最近の研究結果であり意外に感じた人も多かったのではないでしょうか。
多すぎる摂取量は当然ながらただの肥満になってしまいますので適量を意識して摂取していきましょう