ベンチプレス完全ガイド:基本から上級テクニック、効果的なトレーニング法まで

ボディメイク

筋トレの代表格 ベンチプレス

筋トレといえばベンチプレスというくらい有名でみんながやっている種目「ベンチプレス」
トレーニーのほとんどの人がやったことがある種目と言っても差し支えない基本の種目です。しかしベンチプレスは高重量を扱うため正しいやり方をしないと怪我をしやすい種目でもあります。
この記事では基本的なベンチプレスのやり方や効果、怪我をしないための方法などを解説します。

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ベンチプレスの基本 鍛えられる筋肉と効果

ベンチプレスは、胸、肩、三頭筋を中心に上半身の筋肉を総合的に鍛えることができるエクササイズです。バーベルを胸まで下ろし、それを押し上げるシンプルな動作でトレーニングの代表的種目BIG3の一つです。胸の筋肉が鍛えられるイメージがあると思いますが実際は三角筋前部、三頭筋といった部位も補助的に使われるため肩や腕のトレーニングでの疲労などを考慮した方が良い種目でもあります。

ベンチプレスは大胸筋を効かせる種目ですが、手幅とベンチの角度、バーベルを下ろす位置によって鍛える筋肉を少し変えることができます。

フォームや角度による違い

・手幅を狭くする→三頭筋に効きやすくなる
・ベンチに角度をつける→肩や大胸筋の上部に効きやすくなる
・バーベルを頭側に下ろす→肩に効きやすくなる

ベンチプレスで怪我をしないための準備、ウォームアップ

ベンチプレスは高重量を扱うフリーウェイトのミッドレンジ種目です。スミスマシンなどの種目と比べて怪我をしやすい種目といえます。僕はベンチプレスで肩や肘、手首を痛めることが多く最初のうちは怪我ばかりしていたように思います。一流のボディビルダーやフィジーカーであってもベンチプレスで大胸筋を断裂してしまったりといった事例はたくさんあります。映像が衝撃的なのでここでは紹介しませんが、「大胸筋断裂 ベンチプレス」でYoutubeで検索すると映像が見れます。気になる方は見てみてください。
このような怪我をしないためにも事前のウォームアップは必須です。

ウォームアップというといわゆる”ストレッチ”をしてしまう人が多いのですが筋肉を伸ばす行為は筋トレにあまりいい影響が無いという研究結果もあり、どちらかというと素早く動作を行う”ラジオ体操”のような運動の方がウォームアップには効果的です。

オススメのウォームアップ方法
  1. 立った状態でベンチプレスの動作のように腕を前後に動かす
  2. 肘を90度に曲げて裏拳のような動作で肩周りをほぐす
  3. 軽い重量でベンチプレスを行う

1、2は30秒〜1分もあれば終わります。3はバーベルだけで行ったり、ある程度重量が持てる人であればMAXの半分以下の重量を目安に行うと良いと思います。僕はベンチプレスのMAXが120kgくらいですが大体60kgで7〜8回行っています。
肩を痛めないという点では2の動作がとても効果があると感じています。僕自身ベンチプレスで肩を痛めたことが3〜4回ありますが、この2のウォームアップを取り入れるようにしてからはベンチで故障することがなくなりました。人によっても効果は違うと思いますが少なくとも僕には絶大な効果があったのでぜひ取り入れて見てください。

ベンチプレスの正しいフォームとやり方

ベンチプレスは、筋トレの中でも特に効果的なエクササイズとして知られています。しかし、正しいフォームで行わないと、その効果を十分に引き出すことはできません。今回は、ベンチプレスの正しいフォームとやり方について詳しく解説します。

ポジショニング

まず、ベンチプレスを行う際の基本的なポジションについてです。ベンチに仰向けになり、頭、肩、背中、お尻をしっかりとベンチにつけます。これは、体の安定性を保つために重要です。また、両足はつま先からかかとまでしっかりと床につけます。これを「5点確保」と呼びます。この5点確保は、バランスを保つために重要で、これにより、効果的に力を伝えることができます。
お尻を浮かせたり、足をベンチにあげたりするバリエーションも存在しますがまず基本となるフォームを覚えることが重要です。

ベンチに背中をつける際は胸を張り肩甲骨を寄せるイメージが重要です。肩甲骨は寄せるだけでなく、少し下に下げるような意識を入れるとよりフォームが安定します。

バーベルの握り方

次に、バーベルの握り方についてです。肩幅よりやや広くバーベルを握ります。これにより、バーベルを安定させ、効果的に筋肉に負荷をかけることができます。また、握り方は「サムアラウンドグリップ」が推奨されます。これは、親指をバーベルの周りに巻きつける握り方で、これによりバーベルが手から滑り落ちるのを防ぎます。
握る位置の最適な箇所としてはベンチプレスをして、バーベルが胸につく際に肘が直角になるくらいの手幅を探します。バーベルの81cmライン(持ち手の部分あたりにある線)を目安に自分に最適な位置を覚えるようにしましょう。
僕の場合は身長178cmで81cmラインに中指か薬指がくる位置がベストポジションです。手の長さや関節の可動域によっても変わりますので参考にしてみてください。

手首を返してしまうと手首を痛める可能性があります。手首自体はまっすぐになるようなイメージがおすすめです。
また、手は少し逆ハの字になるようにすると力強く押すことができるのでオススメです。

3. バーベルを下ろす動作

そして、バーベルを下ろす動作です。息を吸いながら、バーベルをゆっくりと下ろします。このとき、バーベルが胸に触れるまで下げ、一瞬静止します。これにより、筋肉に十分な刺激を与えることができます。ジムで見ていると胸につけない人も結構多いような印象がありますが胸にしっかりつけるまで下ろす方が大胸筋がしっかり使える印象です。
また、バーベルを下ろす速度も重要で、一般的には2~3秒かけてゆっくりと下ろすことが推奨されます。

バーベルを下ろす位置は骨格によっても違うため一概には断言できないのですが、地面と垂直になるように下ろすようにします。目安としては乳首のラインか、みぞおちあたりに下ろすことになると思います。よく肩や鎖骨のラインにバーを下ろしてしまっている人がいますが肩を痛めやすく危険なのでオススメできません。(ギロチンプレスと言ったりもします)

4. バーベルを押し上げる動作

バーベルを押し上げる動作では、息を吐きながらバーベルを元の位置まで力強く押し上げます。このとき、肘を完全に伸ばし切る必要はなくやや曲がっている状態でOKです。肘を伸ばし切る状態を「ロックアウト」と言いますが、ロックアウトすると大胸筋への負荷が抜け関節でバーベルを支えている状態になります。呼吸を整えたりする際にはロックアウトしても良いのですが、そうではない場合にはやや肘が曲がっている状態で次の動作に移っていくことがオススメです。

この動作もゆっくりと行うことが重要で、一般的には1~2秒かけて押し上げることが推奨されます。

基本のフォームがとても分かりやすく解説されている動画をご紹介しておきます

ベンチプレスの効果的なセット数、レップ数

筋肥大を目指す場合、経験値や筋トレ歴にもよりますが8〜12回のベンチプレスを3〜4セット行うというのがセオリーです。初心者の方はまず10回3セットという基本のセット・レップ数でしばらく継続してみましょう。
ある程度上達してきたら重量を上げていくことが大事ですが、セット数やレップ数を変化させていくことも筋肥大にはとても有効です。僕の場合、初心者の頃は10回3セットを中心に組みつつ重量が伸びなくなってきたら5回5セットでできる高重量に変更し、筋力を上げるようにシフトしました。これも慣れてきたらまた10回3セットに戻す、というようなサイクルを3ヶ月単位くらいで繰り返していくことで筋肉に新しい刺激を与え、より成長を促すことができます。
ずっと同じレップ、セット数で繰り返すのではなく変化をつけていくことを意識しましょう。

ベンチプレスのバリエーションと上級テクニック

ベンチプレスにもさまざまなバリエーションがあります。初心者のうちはノーマルのベンチプレスのみで全く問題ないのですが、筋トレ3年以上の中級者〜上級者になってくるといろんなバリエーションを取り入れていく方が良いと思います。いくつかご紹介したいと思います。

リバースベンチプレス

リバースベンチプレスはバーベルの握り方(グリップ)が通常のベンチプレスとは逆になります。つまり、掌が自分の方を向くようにバーベルを握ります。

このエクササイズは、大胸筋の上部、及び上腕三頭筋(トライセップス)の長頭に強く働きかける種目です。この種目の最も良い点は肩関節にかかる負荷が少なく、肩の怪我をしにくいという点です。肩を痛めてしまっていてベンチプレスをすると痛みが出るという場合でもこの種目だと痛みがなくできる、という場合があります。

ただし、リバースベンチプレスは通常のベンチプレスと比べて握力が必要となり、またバーベルのコントロールが難しくなるため、初めて行う場合は軽い重量から始め、フォームと安全性を確認しながら進めることが重要です。スミスマシンなどを使って行うのも良いと思います。

ダンベルベンチプレス

バーベルではなくダンベルを使用して行うベンチプレスです。ダンベルを使用することで不安定になり、導入される筋肉が増えます。また、バーベルと比べて関節の可動域が広がり、筋肉により大きな刺激を与えることができます。初めてダンベルで行う際はバーベルの6割以下の重量で行うと良いです。
(バーベルで100キロを上げている場合、ダンベルでは30キロ×2=60キロ)
思っているよりもダンベルだと上がらなかったり、きつい印象だと思います。慣れないうちは軽い重量からやるようにしましょう。

インクラインベンチプレス

ベンチを15〜45度の角度に設定し、上体を傾けて行うベンチプレスです。主に大胸筋上部と三角筋前部をターゲットにします。通常のベンチプレスと比べて、大胸筋上部により強く働きかけることができます。この種目は肩を痛めやすい種目になりますのでやる際はウォームアップをしっかり行うことと、軽めの重量で行うことを意識しましょう。
僕はこの種目で5回ほど肩を痛めており、もう2度とやらないと誓っている種目でもあります(笑)
肩関節の可動域は人それぞれなのでこの種目が合う人もいると思います。肩を痛めた経験がある方や痛めやすいと感じている方はリバースベンチの方を強くオススメします。

まとめ

ベンチプレス、皆さんはどれくらいの重量を上げていますか?筋トレの王道とも言えるこの種目、しかし、正しいフォームで行わなければ怪我のリスクが高まります。この記事では、ベンチプレスの基本から上級テクニック、効果的なセット数やレップ数までを解説しました。
ベンチプレスに限らず筋トレは正しいフォームと、自分に合った方法で行うことと刺激を変えていく事が大切です。
ベンチプレス以外の筋トレ種目についても解説していきますので、お楽しみに!