【初心者向け】9割が勘違いしている正しく腹筋を割る方法

トレーニング理論

はじめに

誰しも”一度くらい腹筋を割りたい”と思った事、考えたことってありますよね。
僕もトレーニングを始めた動機の一つに「人生で1度くらい、腹筋が割れた自分を見てみたい」という思いがありました。しかし腹筋を割るための最適な方法というのは一般の方が思っている行動とかなりギャップがあるのも事実です。

この記事では初心者の方によくみられる典型的な間違いである「腹筋の割り方」についてを解説します。ある程度経験を積んだトレーニーでは当たり前すぎる内容ですが、トレーニングを始めたばかりの方やこれから始めたいと考えている方に向けてより分かりやすく説明をしたいと思います。

スポンサーリンク

腹筋のトレーニングの誤解

腹筋トレーニングの一般的なイメージ

ジムやフィットネス動画を見ていると、腹筋トレーニングが腹筋を割るための鍵であるかのように思えます。多くの初心者が、毎日の腹筋トレーニングを通じて、理想の腹筋を手に入れることができると信じています。特に「クランチ」といういわゆる腹筋運動を毎日やっていればいつしか腹筋が割れるはず!と考えて一日腹筋30回を頑張ろう!というようなモチベーションで毎日腹筋をしている人もいると思います。僕も全く同じ事を考え、腕立て、腹筋を毎日3か月やったことがありました。

しかし、実際のところ、腹筋トレーニングだけで理想の腹筋を手に入れることは難しい。難しいというか、不可能だと断言できます。なぜなら、腹筋の形成には筋肉の発達だけでなく、体脂肪の削減が必要だからです。むしろ筋肉の発達はほとんどの人にとって「不要」と言っても言い過ぎではないかもしれません。

腹筋の形成とは

いわゆるシックスパックのような浮き出た腹筋に一番重要なのは脂肪の削減です。筋肉が発達しても、その上に脂肪が被さっていると、筋肉の形は見えません。人間の腹筋というのは実は基本的に全員割れています。割れた腹筋の上に脂肪が乗る事で割れている状態が見えなくなっているのです。実際にプロのムキムキなボディビルダーでも脂肪がつけば腹筋が見えなくなります。ボディビルコンテストに出ない時期に相撲取りのように太ってしまうボディビルダーが海外にはいますが、彼らは全く腹筋が見えない状態まで太ったりしています。

逆に、筋肉が十分に発達していなくても、体脂肪が少なければ腹筋は見えることがあります。この点を理解することが、腹筋を割るための第一歩となります。

腹筋を割りたいなら体脂肪の削減が最優先

腹筋トレーニングは筋肉を発達させるための手段の一つですが、それだけでは腹筋を割ることはできません。食事や生活習慣の見直しのほうが重要です。

体脂肪を落とす >>>>>> 腹筋の筋トレ

このイメージが出来ている人は腹筋を割ることができます。

体脂肪は、私たちの体を守るためのエネルギー源として蓄えられています。しかし、過度な体脂肪は健康を害するだけでなく、筋肉の形を隠してしまいます。特に、お腹周りは脂肪がつきやすく落ちにくい部位になります。これはとても簡単な話ですが、栄養を吸収する”腸”のすぐそばにお腹周りがあるので余ったカロリーを体脂肪としてお腹につけるというのは体の構造上とても効率が良い。

また、手足や顔など胴体から遠い部位というのは脂肪をそこまで運ぶことも難しく、また手足の先に脂肪がついていると人間の行動上邪魔になるので胴体に脂肪をつけたほうが生物的にも動きやすい。こういった理由が加味されて人間というのはお腹周りから太り、手足や顔から痩せるというような構造になっています。(もちろん痩せやすさや太りやすさには個人差があります)

腹筋を見せるための最も重要なポイントは、体脂肪を落とすことです。これには、適切な食事と有酸素運動が必要です。特に、食事は体脂肪を落とすための最も重要な要素と言えます。適切なカロリー摂取と、バランスの良い食事を心がけることで、体脂肪を効果的に落とすことができます。

また、有酸素運動は脂肪を燃焼させるのに効果的であり、日常の中で取り入れることで、体脂肪の削減をサポートします。

腹筋運動(クランチ)はやれるのであればやっても構いませんが、全くやらなくても大丈夫です。僕自身は腹筋を割るまでにクランチは1回もやりませんでした。以前は腹筋のトレーニングとしていくつかの種目をこなしていた時期もありますが、現在では腹筋のトレーニングは一切取り入れていません。

体脂肪を落とすための食事管理

食事の重要性

食事は、体脂肪を落とすための最も重要な要素です。適切なカロリー摂取と、バランスの良い食事を心がけることで、体脂肪を効果的に落とすことができます。あまり厳しい食事制限をしたくない方の場合はまず”油ものをやめる”事です。脂質は炭水化物の約2倍のカロリーが含まれており、すごく少量でも高カロリーになっていることがあります。脂質の多い代表的なメニューはから揚げ、ピザ、ラーメンなどです。こういった食事を日常的にとっているようであれば週に1回に減らすなど、今よりも少なくすることから始めましょう。

ある程度の食事管理ができる方であれば1日に食べるカロリーを計算して体重計測をしましょう。食べるものはなるべくたんぱく質を多く含むものに変更します。具体的には鳥胸肉や海鮮、魚介類です。
たんぱく質は量が増えるほど体脂肪の減少に効果があるとされています。1日の総カロリーの40%くらいをたんぱく質から摂取できるとかなり痩せる食事になります。

糖質は悪か

実は糖質は脂肪を燃焼するときにも必要な栄養素です。糖質をかなり減らして有酸素をしたことがあるとわかるのですが、少し糖質を取ったほうが脂肪が燃えやすい体感がありました。これはほかのトレーニーも同じような事を経験している人が多いため過度に糖質を減らすのではなく、まず最初に減らすのは”脂質”という事を意識しましょう。糖質を減らして体脂肪を絞る時はケトジェニックダイエットという方法がありますがあまり初心者の方には向かないと考えています。
糖質は食べすぎず、食べなさすぎずのバランスの良さが求められます。

よくある食事の誤解

断食やファスティング等も流行っていますが、これらの方法だけで体脂肪を落とすのは難しいです。断食のような過度な食事制限は、筋肉も落ちてしまい一時的には痩せられますが必ずリバウンドして元の体よりも悪い状態になってしまいます。これを何回か、或いは何年か繰り返すといずれ今までと同じ断食では痩せないという状態になってしまい、年々きつい断食を繰り返すことになります。僕も昔ファスティングをやった時期があり、確かに痩せることはできたのですが結局リバウンドしてしまいあっという間に醜い体になってしまった経験があります。

腹筋を割るための期間

腹筋を割るのは長期戦

腹筋を割るためには、少なくとも2~3か月の期間が必要です。短期間での結果を求めるのではなく、長期的な視点で取り組むことが大切です。特に、初心者の方は、短期間での結果を求めがちですが、腹筋を割るためには継続的な努力が必要です。

最初から3か月かかる、と思って始める事も重要です。3か月続けられる内容で食事制限や有酸素運動を始めれば途中で心が折れてやめてしまうリスクを少し下げる事ができます。長期間できるそうな内容でダイエットを始めるのは腹筋を割るだけでなく筋トレの基本になるのでぜひ意識してみてほしいです。

また、2~3か月というのはあくまで一般的な例の場合です。例えば100キロを超えるような完全な肥満体型の場合は腹筋を割るまでに少なくとも半年はかかります。中肉中背の人がうっすらと腹筋が割れるレベルであれば2か月~3か月しっかりと取り組めば可能です。

太ってしまった期間が長いほど長期戦になる

これは僕の経験からくる持論になりますが、太った期間が長ければ長いほど痩せるまでにかかる時間も長くなる傾向があります。たとえば10年かけて10キロ太った場合と5か月で10キロ太った場合では5か月のほうがすぐに痩せることができますが10年かけて太った場合は1度の減量では腹筋を割るまで痩せられないことも多いです。僕自身20歳の頃は70キロでしたが30歳くらいの時点で78キロほどになっていました。この8キロの脂肪を落とすのに最初の減量で70キロまで落としましたが”バキバキ”の腹筋にはならず、お腹だけ少し脂肪が乗っている状態になってしまった経験があります。
お腹周りの脂肪を落とすのはしつこい油汚れみたいなものなので何度も何度も減量していくうちに落ちるという事かなと思います。

こういった長期的についた脂肪でもしっかりとカロリー管理と有酸素運動を行い、何度か減量→増量を繰り返していけば必ず落とす事ができますが、当然ながら長期戦になってしまいます。10日や1か月のような短期間では絶対に成果が出ないということを意識してもらえると良いと思います。

腹筋が割れる目安

腹筋が割れるのはおおよそですが体脂肪率が10%程度以下になります。ここで注意すべきなのは”家庭用の体重計の体脂肪率は信用できない”という事です。特に筋肉量が多い人、体の水分量が多い人は体脂肪率が多めに表示されてしまう傾向にあるようです。家庭用の体重計で測ってもあまり意味がないのでこの数字はあてにしないようにしましょう。

INBODYという体組成計がありますがこれはかなり精度が高く信ぴょう性が高いです。市区町村の運営するジムや健康ランドのような施設でもたまに置いてあったりしますので設置しているところがあれば一度計測してみると良いです。ですが、数字を把握する事自体はそこまで重要ではないので近くで測れない場合もそこまで悲観せず、できることをやっていきましょう。

腹筋トレーニングが必要な人

例外的に腹筋の筋トレをしたほうが良い人

ここまでは腹筋の筋トレはほとんどの人にとって不要であるという話をしてきました。しかしながら例外的に腹筋のトレーニングをしたほうが良い人もいます。

それは、体重が軽くお腹のぜい肉がつまめないほど薄いのに腹筋が見えない人です。人間の腹筋は基本的には割れていて、その上に脂肪が乗ることで割れている状態が見えなくなるのですが脂肪が無いのに割れていないという事は根本的な筋肉量が不足している可能性が高いです。

このような人は、腹筋のトレーニングを行いつつ増量することで、筋肉量を増やす必要があります。

効果的な腹筋トレーニングの方法

どんなトレーニングをしたらよいかについてですが、腹筋トレーニングで最も有効なのは重量を使ったトレーニングや、高強度のトレーニングです。高強度のトレーニングでは筋肉の発達を促進することができます。まったくトレーニングをしていなかった初心者の方は、最初は軽い重量から始め、徐々に重量を増やしていくことがおすすめです。

トレーニングの種目としては”クランチ”ではなく、”レッグレイズ”がオススメです。まずはレッグレイズをできるだけやってみましょう。ある程度レッグレイズができるようになったら”ドラゴンフラッグ”に挑戦してみてください。これはほとんどの人ができない種目なのであくまで”挑戦”で良いです。ドラゴンフラッグもどきのトレーニングでも腹筋への負荷は強烈でしっかりと筋肉をつけることができます。

前述したとおり、このトレーニングはあくまでガリガリの人や食事管理をしっかり行ったうえでさらに余裕がある人だけが行ってください。

腹筋を割るための正しいステップ

ここまでの内容をもとに腹筋を割るための正しいステップをまとめます。

  1. 最低でも2~3か月はかかるという事を覚悟する
  2. 食事の計画をたてる(自分なりのカロリー制限の仕方を決める)
  3. 食事管理と有酸素を継続する
  4. 体重が減らなくなったら再び食事の内容を見直し有酸素の量を増やす
  5. (例外的な体系の人)ガリガリの人はレッグレイズをできるだけ実施する

まとめ

腹筋を割るためには、筋トレよりも食事の見直しが非常に重要です。体脂肪を効果的に落とすためには、カロリー制限と有酸素運動が必要です。長期的に取り組めるかどうかで腹筋を割れるかどうかが決まりますが、逆に言えば長期間実施できれば必ず全員が腹筋を割ることができます。腹筋を割るための才能は不要です。万人が腹筋をバキバキにできる権利、チャンスがあります。


一人でも多くの人が自分の割れた腹筋を見ることができるよう応援しています。